ウーファができるまで④
チャレンジする女性の、実家になろう

次女を出産し、香川から十日町に戻ってすぐのころ、恭子さんと友美さんが我が家に訪れてくれました。

 

 

いままで忙しくなりすぎて、なかなかお店に行くことも、じっくり話すことも少なくなっていたので、本当に久しぶりにお二人に会えて、ほっとしました。

 

そのとき、共同食品加工所のプランを聞きました。

 

 

もう挑戦はしたくない。
私は農業をしているだけで、誰かに迷惑をかけている…もう迷惑になるようなことはしたくない。農業を辞めて、夫の家業をちゃんと手伝うのもいいかもしれない。

 

つい最近までそう思っていたのに、

 

「共同食品加工所に干し芋の機械も入れて、やってみないか」と言われたときは「いいですね」と即答してしまいました。

 

前年だと断っていただろう。けれど今はなぜか、できそうな気がしていました。

 

それ以降、最終プレゼンに向けてお手伝いさせていただき、プランを練り、その中で女性農家のワーキンググループ(のちのウーファ)も作る案が出ました。どんどんワクワクは増え、最終プレゼン当日を迎えたのでした。

 

「食と農でチャレンジする女性を、十日町に増やしたい」
「ワクワクいっぱいの加工所にしたい」

 

熱い思いをぶつけた恭子さんと友美さん。
二階で娘たちとともに見守る私。

 

結果は、見事優勝!!!

 

 

涙ながらに抱き合い喜び、年は暮れたのでした。

 

後日、二人はこんな話をしてくれました。

 

 

「お母さんが、このお店(農家レストラン)を始めるとき、家族全員、全力で反対したんだよね。そうやって一人で何かに立ち向かうことの大変さを見て来てさ。だから、実家も遠いかなちゃんが、一人でいろんなものに立ち向かっているのを見て、いっそ、家族みたいに迎えて、みんなで楽しくやればいいじゃんって思ったんだよね。」

 

「そうそう、農の家族、みたいなね。」

 

「困ってそうなのを見てて、そして私たちも加工所どうしようって困ってた。一緒にやれば、お互いいいのにって思って。」

 

「だから、ウーファも、実家に帰って、英気を養うような場したいね。
私にとっては、みーんな娘。当時東京にいた娘たちにも、大変そうなとき『一回実家に帰ってこいや。みんなで考えよう』って言ってきたから。そうして、心のパワーをためて、回復して、元気になったらまた一人でがんばる。

 

独り立ちしたら疎遠になるかもしれないけれど、それでいい。そのほうが『がんばってるんだな』って思えて、嬉しいじゃない。ウーファもそうでありたい。」

 

その言葉を聞いて、胸が熱くなりました。
私はそのおかげで、また歩き出せるようになったから。

 

 

今回ウーファを結成するにあたり、女性農家さんたちに声をかけていくなかで、「いま行き詰まってて、新しい突破口を探していた」「加工に挑戦したいと思っていたけど、いろいろ悩んでいた」「いままで家と畑の行き来だけで共感できる仲間がいなくて」など、いろんなお返事をいただきました。

 

チームになるから、できることがある。
チームになるから、踏み出せる一歩がある。

 

だから、ウーファには存在する理由がある。
ここからまた、それぞれがエネルギーをためて、自分らしい経営と暮らしと、家族のあり方を実現できる女性農家を応援していきたいと思います!

 

これから、ウーファをよろしくお願いいたします!

 

 

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